やり抜く力は、才能ではなくスキル
「やり抜く力」は、才能ではなく「スキル」であり、後天的にトレーニングして伸ばすことが可能です。
心理学者のアンジェラ・ダックワース教授の研究によれば、やり抜く力は「マインドセット(心の持ち方)」や「環境」を整えることで、筋肉のように鍛えられることがわかっています。
具体的にどのように「学習」していけばよいのか、4つのステップで解説します。
「成長マインドセット」を育てる
「やり抜く力」を支える最大の土台は、「能力は努力次第で伸ばせる」という信念です。
- 固定的マインドセット: 「自分には才能がないから無理だ」と諦める。
- 成長マインドセット: 「今はできないけれど、練習すればできるようになる」と考える。
失敗を「能力の限界」ではなく「成長のためのデータ」と捉えるようになると、途中で投げ出す確率がぐんと減ります。
*マインドセット(mindset)とは、過去の経験、教育、信念、先入観などから形成される「思考の癖」や「無意識の行動パターン」のことです。
「意図的な練習」の習慣化
ただ闇雲に時間をかけるのではなく、以下のサイクルを繰り返す練習方法を学びます。
- 明確な目標設定: 「今日はこの漢字を10個、形まで完璧に覚える」といった具体的で少し高いハードル。
- 全神経の集中: 誘惑を断ち切り、その課題だけに集中する。
- 即時のフィードバック: どこが間違っていたかをすぐに確認する。
- 反省と修正: ミスを修正して、もう一度やってみる。
この**「ちょっときついけれど、やり遂げられた」という小さな成功体験**の積み重ねが、「次もやればできる」という自信(自己効力感)に繋がります。
「興味」と「目的」を結びつける
人間は、単に「やらされていること」をやり抜くのは困難です。
- 興味: まずはその対象を「面白い」「好きだ」と感じること。
- 目的: その努力が「誰かの役に立つ」「自分の理想に近づく」という大きな意味を持つこと。
バスケットボールで「チームに貢献したい」という強い目的意識があれば、きつい基礎練習もやり抜く力が自然と発揮されやすくなります。その経験を、勉強などの他の分野に応用(転移)させていくのが効果的です。
「やり抜く力」を支える文化に身を置く
「朱に交われば赤くなる」という言葉通り、周囲の環境も大きな影響を与えます。
- 周囲の期待: 「あなたならやり遂げられる」と信頼してくれる大人の存在。
- 集団のルール: 「ここでは最後までやり遂げるのが当たり前」という雰囲気のあるチームや家庭。
家庭で「やり抜く力」を学ぶための声かけ
親ができる最も強力なサポートは、「結果(点数)」ではなく「プロセス(努力・戦略・選択)」を褒めることです。
- NG: 「100点取れてすごいね!(才能・結果への執着)」
- OK: 「毎日15分、机に向かい続けたのがこの結果に繋がったね(努力への注目)」
- OK: 「難しい問題だったのに、諦めずに別の解き方を試したのが素晴らしかったよ(戦略への注目)」
このように、「粘り強さそのもの」に価値を置くメッセージを伝え続けることが、子供にとっての「やり抜く力の学習」になります。
お子さんがこれまで、バスケットボールや学校生活の中で「最初は大変だったけれど、最後まで頑張れた!」というエピソードはありますか?その時の気持ちを一緒に振り返ってみるのも、素晴らしいトレーニングになります。
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